長期休校期間中の家庭学習の秘策

オンライン学習

インターネットや通信環境の充実により,近年,急速に普及してきたのがオンラインで学習するアプリです.

あるメーカーのスタディサプリの場合,小中学生用と高校生用,その他があり,いずれも圧倒的低価格.1万本を超える講義動画が月額の定額制で見放題です.そのすべてをじっくりと聴講するのもよいでしょうし,どうしてもわからないところを一部だけ聴講するのもよいでしょう.しかも何回でも観ることができます.ここが学校や塾と大きな違いであり,多大なメリットです.

一方,教材を使った学習と同じで,何をどれだけ観るかは完全に学習者側にお任せです.せっかく申し込んだのにほとんど聴講しなかったということにもなりかねません.これが唯一のデメリットです.

ところが,このスタディサプリはなかなかおもしろいのです.学習者の知的好奇心をうまく刺激し,気がついたら夢中になって聴いていることもあります.教えることのプロが講義しているのだから当然といえば当然.教科書の内容を学習して理解するだけならこれで十分とさえ感じます.それならば,学校の価値はいったい,どこにあるのでしょうか.これはこれで大問題です.

私が考えるには,こういったスタディサプリは学校のあり方について,基本的な疑問を投げかけています.スタディサプリで勉強できるのなら,学校って何のためにあるの?私も含めて,昔の学校教育しか受けたことのない大人はみんな,そう思うでしょう.

実際には学校の教育現場ではさまざまな取り組みがなされているようです.オンラインでの配信の授業では得られない,対面でないとできないことは何か?これまでもさまざまな模索が続けられてきました.いわゆるアクティブラーニングなどもそうでしょう.

今,アクティプラーニングまでもが,まだ一部の学校だけですが,今回の外出自粛と休校要請により,オンラインでの実践が試みられています.新型コロナが収束した後,学校のあり方として,学校でしかできないことを学校で行うのが普通になるでしょう.それはいったい何でしょうか.それによってどんな未来が開けていくのでしょうか.